2006年01月26日

★トニー・スコット『ザ・ハンガー』

映画俳優としてもキャリアをつんでいるデヴィッド・ボウイ。最近ではクリストファー・ノーラン監督(『バットマン・ビギニング』)の新作に出演交渉中だそうだ。過去のボウイの主演作からカトリーヌ・ドヌーヴとの競演作『ハンガー』をピックアップ。監督はこれが長編デビュー作となるトニー・スコット。出世作『トップ・ガン』からはかけはなれた作風のロマンスホラーの佳作だ(その後兄リドリーとの共同制作でTVシリーズ化)。
吸血鬼ミリアン(ドヌーヴ)が、パートナーとして選んだ人間の男ジョン(ボウイ)。彼はミリアンの力で半吸血鬼となり数百年にわたり若さを保ってきたが、その期限が尽きて急速に老化し死に直面する。ミリアンは新たなパートナーとして不老不死を研究する女医サラを選ぶ。吸血鬼が生き血をむさぼる様はセックスそのもの。セックスは個と個のあいだから種を残し、吸血は相手を滅ぼし個を存続させる。死の恐怖と永世の孤独。なんといってもドヌーヴとボウイの魅力でみせる映画で、ボウイは吸血鬼ぶりから凄絶な老けメイクまでまさにはまり役だ。しかし彼の出番は前半に集中、後半の主役はスーザン・サランドン演じる女医。あの二人に並べられるなんて辛い。ところでミリアンとジョンがシューベルト「ホ短調三重奏曲作品100」(キューブリック『バリー・リンドン』の誘惑場面の曲)を演奏するシーンでは、ドヌーヴはどうみてもピアノ“弾いてる”ふり”、一方ボウイはちゃんとチェロを演奏していました。タイトルバックで踊る男はボウイかと思ったらバウハウスのピーター・マーフィーだ。
スコットはロック趣味が強いようで『ザ・ファン』ではデ・ニーロ演じるクレイジーな野球ファンをストーンズ好きに設定し劇中たっぷりストーンズ・ナンバーを聞かせている。



トニー・スコット『ハンガー』


老けメイクのボウイ。
hunger_o_b.jpg
中盤で突如髪の毛が抜け皺が増えあわてふためくジョン。
クライマックスではさらに原型をまったくとどめない姿で再登場。
posted by rawramp at 01:30 | 京都 ☀ | Comment(2) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
やはり、吸血族は隔世の美しさが定番なのでしょうか(?)。ちょっと前のトム・クルーズもなかなかだったですね。マンガの「ポーの一族」(萩尾望都)なぞ想いだしたりします。時代を巡って、血(エロス)と死(タナトス)は永遠のテーマです。
そーいえば、ドヌーブは澁澤龍彦のお気に入りの女優さんではなかったかなあ。私なんかは「シェルブールの雨傘」なんかのイメージがつよいけれど。
貌萎さまの老けメイク、かえってヘンに安心したりして・・・。ああ、人間だったと。
Posted by りょーこ at 2006年01月30日 01:29
りょーこさん
そういえばトム・クルーズもやってました。しかし吸血鬼は『ノスフェラトゥ』みたいな蝙蝠顔もスタンダードですよ。澁澤はブニュエルの『昼顔』についての文章でドヌーヴにふれてますね。
Posted by rawramp at 2006年02月05日 21:19
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