2006年02月22日

★ゴダール+ストーンズ『ワン・プラス・ワン』

来日をひかえるローリング・ストーンズの主演映像から。
監督はジャン・リュック・ゴダールで、ゴダール作品としては過渡期的なものと位置付けられる。作品は大きくわけてストーンズのレコーディング風景と、民主主義や革命についての政治的な映像と、二つの要素からなっている。「悪魔を憐れむ歌」を、アレンジを変えながら延々と繰り返すストーンズ。一方では街頭の落書きと政治ポルノの朗読音声、暴力革命を志向するブラック・パワーのアジテイター、ヒトラーの『我が闘争』を朗読するポルノショップ店主、民主主義の象徴イヴ・デモクラシー(アンナ・カリーナに次ぐ”ゴダールの女” A・ヴィアセムスキーが演じる)の奇妙なインタヴュー。
初めのほうで「1プラス1が2にならない」という文字が出て、つまり通常の論理性の破壊が基調主題になっているようだ。
スタジオのストーンズの映像は、実は単調な繰り返しからくる退屈を、強いる効果を狙ったらしい。しかしロックファンにとっては、ロック史上の名曲のアレンジの変遷(最初はまったく違う)、キースがベースを担当しているとか、特徴的な「フッフゥー」のコーラスがジャガーの歌と同時録りでメンバーの他アニタ・パレンバーグらが参加しているとかいった録音の実際、さらには初期リーダーのブライアン・ジョーンズがジャガーに話しかけて見事に無視され、後半は姿を消すなど、人間関係の実情がかいまみられ、ゴダールの意に反し非常に興味深いものになっている。
ラストのテロリストの戦闘場面、というか映画カメラも写りこむその撮影風景のシーンでは「悪魔を憐れむ歌」の完成版が流れる。劇場の大音響で聞くとつい感動してしまいそうなのだが、ゴダール自身は完成版は流さないつもりだったそうだ。プロデューサーが勝手にこれを付加して、さらにはタイトルをこの曲名にしてしまったという。結果的に妙に完結感のある映画になった。
本作は一度DVD化されているが現在品切れ状態。中古がプレミアつきになっている。

oneplusone.jpg
■『ワン・プラス・ワン』


〔追記:060625〕 『ワン・プラス・ワン/悪魔を憐れむ歌』のタイトルでDVD再発決定しました。
※関連記事: ★ストーンズinハイド・パーク新版DVD



◆スタジオのストーンズとゴダール
godard_stones.gif
映画の印象深いワン・シーン。
ゴダール自身が画面に登場し
ストーンズのメンバーにあいさつして
煙草をすすめて回る。
posted by rawramp at 00:55 | 京都 | Comment(1) | TrackBack(1) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「ハイドパークコンサート」の再発にともなって本作も再発するようです。
Posted by rawramp at 2006年06月25日 00:48
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DVD「悪魔を憐れむ歌 / ワン・プラス・ワン」
Excerpt: Roolling Stones で何か1曲を?と言われると、それはBeatls同様に難しい質問だ。カントリー調でなんだか脳天気な感じなのに哀愁を帯びた「Sweet Virginia」Stonesのギタ..
Weblog: noBlog SINSEIの自己中で行こう!
Tracked: 2006-09-03 05:17

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