2006年02月27日

★K.アンガー『我が悪魔の兄弟の呪文』

ストーンズ関連の映像をもう一本。Dリンチやジャーマンに多大な影響を与える映像作家ケネス・アンガーの作品『我が悪魔の兄弟の呪文』(1969)。実は魔王ルシファーの復活を描く『ルシファー・ライジング』の企画が先にあった。この企画で当初アンガーはルシファー役にミック・ジャガーに、ベルゼバブ役にキース・リチャーズを配することを望んでいたが、二人に断られ、ルシファー役にマンソン・ファミリーのボビー・ボーソレイユをあて、魔女リリス役にはマリアンヌ・フェイスフルを配し撮影を開始、ところがボーソレイユの悪意によってフィルムの大部分が破壊されてしまう。残ったフィルムに別の映像を加えて完成させた暫定的(?)な作品がこれである。
悪魔召還儀式、ローリング・ストーンズのコンサート、ベトナム戦争、世界最大の暴走族ヘルス・エンジェルズ、主にこれらの素材からなるコラージュ的映像として仕上げられ、クロウリーの教えを継ぐアンガーにとってこの映画そのものが悪魔召還魔術の実践であるという。ストーンズの部分はどうやらハイド・パーク・フリーコンサート時のもののようだ。直截的な暴力や性の描写などは何も出てこない、しかしそんなものにもまして、ずっと危ないものを見ている気分にさせる怪作となった。ミック・ジャガーはこの作品に結局音楽製作で参加。ストーンズロックとは似ても似つかない、シンセサイザーによる単調な電子音による音響作品である。ミックのサントラは後にドイツで編集されたサタニスム音楽のオムニバスアルバムに収録されており入手可能である(多分)。
『ルシファー・ライジング』は198 年にいたってようやく最終編集版が完成したが、本作とはまったくちがった神話的タッチのものに仕上がった。これら作品は『マジック・ランタン・サイクル』に収められているが現在残念ながら廃盤である。

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posted by rawramp at 00:16 | 京都 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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