2006年12月06日

★丸尾末広『少女椿』の改訂について

丸尾末広の最高傑作は、問われれば『少女椿』と答える人は少なくないかと思う。
それまで短編ばかりだった丸尾氏の、初のストーリーもの。
みなし児のみどりちゃんが見世物小屋に雇われ辛酸を舐める。
新加入した芸人ワンダー正光に救い出されるかと思いきや・・・。
一種の『美徳の不幸』なストーリーである。

某所で本作のエディション違いが話題になっていたので
確認できた範囲で記しておきます。

まず青林堂の初版はA5クロス装で1984年9月25日初版発行。
(もともと青のクロスに星の型押しをした装丁だったが
版を重ねるうち経費節減か紙のハードカバーに切替わった)
次に青林堂からA5上製で1999年8月25日改訂版初版発行。
その後、同社の分裂によって版権がうつり
青林工藝舎からA5上製で2003年10月24日改訂版初版発行。
さらに500部限定版がB5クロス装函入2004年2月25日発行。
限定版は著者サインカード他三大付録つき。
(みどりちゃんぬりえセット、特製少女椿燐寸、描き下ろしB2ポスター)
http://www.seirinkogeisha.com/book/y_031224.html
都合5種類のエディションがあることになる。 

限定本の内容は青林工藝舎改訂版と同じと思われるが、
青林堂初版、青林堂改訂版、青林工藝舎改訂版は
カバー表紙絵がちがい内容もすこしづつちがっている。
内容の改訂については、端的に言うと、残酷表現、などなど・・・
が序々に抑制されている。
青林工藝舎版になると書き下ろし14頁が追加されているが
「遠足に行きたい・・・」の絵がすっかり変更、
さらに各エピソードタイトルが「第壱発目」などから「第一話」などに。
また著者のあとがきとして「一幕劇 人生の並木路」と題し、
その後のみどりちゃんの不幸な人生がつづられていたものがなくなってしまっている。

内容の改変はおそらく世相をおもんばかってのことであろう。
「一幕劇」がなくなったのは残念である。
また今出ている青林工藝舎版はてかりのある紙質なのだが
あまりよろしくない。

そうそう、本作以前に読切短編の「少女椿」があって、
みどりちゃんが見世物一座に入るまでの、話の端緒が描かれている。
単行本では『薔薇色の怪物』(青林堂/青林工藝舎)に収録されていて、
これは『少女椿』単行本のどれにも入ったことがないようだ。

maruo_syojotsubaki_1.jpe
■丸尾末広『少女椿』(青林堂/青林工藝舎)

posted by rawramp at 02:02 | 京都 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画/アニメ/特撮 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック

和書トップ100 | ミュージックCDトップ100 | DVDトップ100
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。