さえない中学教師の妻レベッカは父親の古書店の常連客ダニエルから結婚祝いにハーレー・ダヴィットソンを贈られていた。ダニエルの巧みな導きで愛人となったレベッカは、黒皮のジャンプスーツを裸身にまとい、ハーレーを駆ってハイデベルグのダニエルのもとへ。レベッカを薔薇の花束で鞭打つダニエル。この死神に魅了され、レベッカのエロスの衝動は死の衝動と溶けあっていく・・・。
全編フェイスフルの美しさで魅せる映画作品。アニメファンの間ではルパン三世の峰不二子のモトネタとして語り草になった。決してうまい作品ではないが、監督カディーフの原作への愛は伝わってくる。ラスト・シーンはまあよく出来ていると思う。この映画により高踏的な作家はポピュラリティーを獲得し、さらに『余白の街』がシルヴィア・クリステル主演で映画化された(『夜明けのマルジュ』)。
ところで撮影当時フェイスフルは夫と子を捨て、ミック・ジャガーの恋人となったばかり。仕事の合間をぬってイギリスから通ってくるミックとの逢瀬を重ねていたという。ならばダニエルへの愛を語るレベッカを演じる彼女の脳裏には・・・。
※オリジナル特典付DVDデラックス・エディション発売中。残りあとわずかと思われます。
